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バレンタイン小話のはずでした。

CPはフリオニール×ティナのはずでした。
フリオニールとティーダの話になってしまいました。
ゆるゆる友情話。

ラブラブは期待しないで下さい。




見たい人は続きからどうぞ↓


*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

暖かな風が吹く今日この頃。
紅いバラを手にし、ため息をつく男が一人。名は、フリオニール。
「のばらー、何考え込んでるんだよ、らしくないなあ」
のばら、と言われ、少し機嫌を悪くする。彼は声のする方へ振り向いた。
そこには、爽やかな青年が立っていた。
「ああ、ティーダか。……いや、別にたいしたことじゃ無い」
「なんスか。俺じゃ頼りにならないっていうのか?酷いなあ」
「じゃあ聞く。…女性にプレゼントをしたこと…あるか」
男は真面目な顔をしてティーダに言った。 彼のような空気の読めない奴が女性にプレゼントだなんて。無いに決まってる。そう思っていたが。
「プレゼントか…。あるよ。」
えっ、マジで?
フリオニールはあははははと、から笑いをしてこう言った。
「いや、冗談だろ」
「マジッスよ!!あいつに…白い花を上げたら…喜んでいたなあ…。ああ…」
ティーダは勝手に夢の中に入った。彼女の清楚な微笑みを思い出し、ティーダは少し涙ぐむ。
「おいおいおい…」
ああ、俺って…つくづく女性に運が無いのか。それともただ無知なだけなのか。
「…分かった。ティーダ。お前に相談したいことがある」
「ひっく…。あ、相談したいことって、何スか?」
思い出し泣きを止め、ティーダは爽やかな笑顔でフリオニールを見た。
フリオニールは半分尊敬し、半分呆れつつ、彼に相談する。

「真剣に答えてくれ。…女性に…その…贈り物したいのだが…どうすれば良いのか分からないんだ」

それは、フリオニールにとっては難しい課題だった。
というのも、散々女性に関係することに災難を得ているのだ。
特に…偽の王女に誘惑されあっけなく騙されたあの事件は…、今思い出しても辛い。
それからというものの、周りがピンクな雰囲気になったら窒息しそうになるし、何故かは知らないが「白鳥の湖」という曲は耳を塞ぎたくなる。
それがあって、恐れているのだ、女性の反応を。

ティーダが彼のトラウマを知っているのかは定かではない。知っていても知らなくても空気を読まない発言をするからである。
しかし、ティーダは笑いながら、フリオニールに言った。
「相手に自分のことを知ってもらいたいんだったら、自分が好きなものをあげるのがいいと思う」
笑っていたが、それは彼なりの真剣な表情でもあった。
「好きな…物。しかし何があるだろうか」
「のばら。のばらがあるだろ。それにリボンを付けたらそれで十分」
まるで太陽だ。だから周りも温かいんだ。そして彼女とも上手くいってるんだろう。
フリオニールはティーダという男を見直した。
「ティーダ。…すまなかった」
「ん、何が?」
「いや、何でもない。…そうと決まったら、飛び切り美しいのを選ぼう。…よし、燃えてきた」
さっきまでの暗い表情はどこにいったのか。フリオニール本来の熱さがじわじわと復活していく。



そして。
「ティーダプロデュース・フリオニールのアタック大作戦」なるものが実行される。
彼女に手紙を送り、最も美しいのばらに紅いリボンを結ぶ。
そして、フリオニールには…戦闘に不向きなフォーマルな服を装備。

「でさ、…プレゼントを贈る相手って…誰」
「いや………それは言えない」
「といっても決まりきってるよな。…スバリ、ティナだろ」
ドキリ、と。フリオニールの身体が跳びはねそうになった。…図星だった。
「なんだよ、緊張すんなって!ティナだったら絶対に受け取ってくれるって」
そう言ってフリオニールの背中を強く叩いた。
「いてっ。……おぼえてろよ、ティーダ…」
そして、フリオニールは進む。…ティーダはここまでだ。もう少しで彼女が待つ場所に着くからだ。


ほんの少しの、仲間の援助。
それだけでも、フリオニールは心強かった。



その後。
無事にのばらをティナに渡すことが出来たフリオニール。
しかし…、渡した後どうすれば良いのかが分からず、結局仲間以上の関係に踏み込む事が出来なかった…。


頑張れ、フリオニール。これだけでも大きな一歩だ。



*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

ティナ、出てきてないじゃないかorz

たまにはこんな友情な小話もいいかな、と思いまして。
……バレンタイン関係ないorz

甘い小話はまた今度。ちょっとした口直しにどうぞ。

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ここについて
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